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風のはなし。

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北海道で竜巻が発生しました。

かなりの被害がでているようです。

自然の猛威のまえには、わたしたちは小さいものですね。。

・・・

自然現象の一つである、「地震」については以前ブログで書きました。

今回は、「風」について建築的なアプローチで書いてみます。


建物を構造設計をするとき、
建物の強度は何によって決めていると思いますか?

建物に作用する外力をすべて列挙してみましょう。

・地震
・風(台風)
・重力
・熱(内部応力)

です。

ちなみに、構造設計では基本的に考慮しないのは、
・竜巻
・テロなどの人災
です。
(残念ながら、建物は竜巻に対しては安全ではありません。)


建物が、台風などの外力を想定して構造設計されているということは、
意外と知られていないのではないでしょうか?

基本的に、
多くの建物は、地震に対して安全に設計しておけば、台風に対しては安全な場合が多いです。

例外として、
軽い建物の場合は、地震よりも台風に対してちゃんと設計しないと倒壊(転倒など)をすることがあります。
軽い建物とは、プレハブや木造のことです。
木造3階建ての場合は、柱脚の固定金物(ホールダウン金物といいます)は台風の外力によって、その強度を決定することが多いです。

ここで、
「台風って、場所によって強かったり、弱かったりするけど・・・」
と思われた方、
おみごと!!

台風は、海水温度の高い海上で発達して、内陸では弱くなりますので、
場所によって、設計で用いる基準風速が異なります。
季節風の通り道となる九州、四国、房総半島など太平洋側の地域は基準風速が大きくなります。

余談ですが、台風にかぎらずじつは地震も地域によって発生頻度の高いとろこがあるので、頻度によって係数が定められています。
太平洋プレートから離れた日本海側の地域や沖縄は、係数が小さく(頻度が低い)、太平洋側は係数が大きい(頻度が高い)傾向があります。
富士山のお膝元静岡などは、特に高いです。

台風に話を戻します。
ちなみに、東京〜神奈川あたりの首都圏では基準風速34〜36m/s を想定した耐風設計をすることになります。
九州、四国の太平洋側では、40m/s。内陸にある、関東甲信越などでは30m/s。
と、結構採用する風速にも幅がでてきます。

さらに、
地域によっては、「地域風」というものがあります。
夏季に吹く東北地方の「やませ」や、冬季に吹く群馬県の「赤城下ろし」などの強風がそうです。
これらは、じつは法律上では構造設計で考慮する義務はないので、個々の設計者の判断による部分となってきますので、注意しなければなりません。

(また余談ですが、東京の設計者が群馬の工場などを設計すると風に対する強度が不足したりすることがあります。地域特有の「赤城下ろし」などを知らないので、基準通りに設計してしまうことが原因であると思われます。)

地域によって定められた基準風速を元に立地条件などを考慮した係数などを乗じて設計風圧を計算します。

そもそも、この基準風速は何を基準に定められたかというと、
1934年に発生した、史上最大級の被害をもたらした「室戸台風」を基準に決められていました。
2000年に基準法が改正されて、現在は過去の台風などの強風の統計などから求めるようになりましたが、今でも、旧基準のほうが設計風圧が大きい場合は、安全側のため旧基準を用いることもあります。

台風が発生したときに良く聞くのは、
瞬間最大風速・・・という言葉です。
ここで、誤解しがちなのが、
瞬間最大風速と最大風速とは異なるものだということです。

瞬間最大風速とは、まさに瞬間に吹いた風速なので、突発的なものです。
最大風速とは、10分ごとに記録されている平均風速の最大値です。

設計で考慮するのは、後者の最大風速のほうです。

ちなみに、
「瞬間最大風速40m/sを記録」・・とか台風のときのニュースで言われますが、
40m/sだと人も車も吹っ飛びます。
「今日は、風が強い日だなぁ・・・」なんて日でも、せいぜい10m/s弱なのです。
竜巻は継続的に60〜100m/sの猛烈な風が吹き荒れるそうなので、これでは人も家もひとたまりもないですよね。。

風の特性を把握するには、流体力学の分野を学ぶ必要があります。
ちなみに、わたしは流体力学はよく分かりません。。あしからず。。

ただ、学生時代に横浜ランドマークタワーの耐風設計に携わった神奈川大学の大熊教授の授業を聞いて、建物を設計するうえで風を知ることもとても重要なのだなぁと思いました。

中でも、
「風直角方向振動」という現象があるのですが、
これは、風という自然現象の不思議がいろいろと凝縮されていて、勉強すると面白いです。

簡単にいうと、
風洞実験などの映像を見たことがある方は、分かるかもしれませんが、
風が作用する建物の面の後方に発生する渦(カルマン渦)の影響によって、
建物は、風が当たった面と直交する方向に大きく振幅をはじめる、という現象です。

なので、
高層ビルなどでは、風の吹いている方向の直交方向に大きく一定の振幅で振動しているのです。
(意外だと思いませんか?)
昔の高層ビルで耐風設計をされていないと、ビルで働く人達に船酔い現象が起きたりもするんです。

・・・

風はいろいろと奥が深いのです。。。

昔、
アメリカのタコマ橋は、強風が吹いていたわけではないのに竣工後間もなく落橋しました。

この失敗を教訓に、いろいろと風についても研究が行われてきました。

現在では、風の特性でもある継続時間の長さを考慮した、金属疲労の問題や、ダンパーなどを用いた居住性の改善など、日々研究が行われています。


とはいえ、
自然には逆らわないほうがいいですねぇ。。
(地震のときも、こんな終わり方だったような・・・)

長くなりすぎたので、
以上です。

思いついたことがあったら、書き足します。

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