前回は、設計者とクライアントの関係について住宅編として書きました。
今回は、耐震偽装事件でも問題となったマンション編です。
かなり書くことがありそうなので、、2編に分けます。
今は、まさにマンションブームです。
土地があれば、マンションが建つと思って間違いないほど、
あっちもこっちもマンションだらけです。
少し頭打ち傾向が見えてきたようですが、まだまだマンション建設は多いです。
なぜ、こんなにマンションが建つのでしょう?
日本は、土地が高いので少ない土地に住宅を上に積み上げることで
効率良く資金の回収ができるのが一番の理由でしょう。
マンションに対する需要があるから、マンションを建てる訳ですが、
現状は、需要に関わらずマンションを建ててしまうような状況だと感じます。
都心、庭付き、一戸建て。
これは、誰もが思う理想だと思いますが、これを実現できるのは限られた
人のみです。億単位のお金の工面ができる方のみに限定されるでしょう。
そうなると、「住」について何がプライオリティとなるのかが問題となります。
マンションが売れる理由から推測すると、
「都心に住めて手の届くコスト」という部分が大きいのだと思います。
まず、エンドユーザー(購入者)の需要があるから現在のマンションの状況に至っている
ということを強調したいと思います。
「都心に住めて手の届くコスト。」
これは、エンドユーザー側からすれば、”最低限”の要望です。
販売する側からすれば、エンドユーザーの”最大限”の要望をできるだけ
聞き入れたいと思うでしょう。
そのためには、まずマンションというものがどのくらいのコストで建設されて、
どのくらいの価格で販売(賃貸)されるか?を考える必要があります。
つまり、販売側のサービスの限界がどこまでなのか?を知ることが重要です。
これは、ある都内中高層マンション(延べ床5000平米程度)の例です。
・土地
600平米
坪単価250万/坪 → 4億5千万円
・建物
延べ床(10階建ての場合、1階〜10階までの床面積の合計)5000平米
RCマンションの平均的な坪単価70万/坪 → 10億6千万円
(ワンルームマンションのような、同じプランがたくさんあるような場合は
もう少しコストが低くなることがあります)
・総工費
およそ 15億円
となります。
不動産会社(デベロッパー)は、15億円を先行投資して、
分譲や賃貸をして回収するわけです。
分譲の場合の回収例を考えてみましょう。
・分譲価格
3LDK70平米の場合(坪単価270万/坪)→ 5700万円
・分譲戸数
同タイプのものが50戸の場合 → 28億5000万円
・・・なんと、分譲して少々売れ残っても十分利益が出るモデルとなります。。\nその他に、不動産会社の関連の管理会社などに支払われる管理費名目の収入も
かなりあるはずです。
粗利が5割のビジネスなど、そうそうありませんので、
たくさんの不動産会社が、土地があればマンションを建てる理由は納得できると思います。
(実際は、不動産会社の営業経費などを見込めば、もっと少なくなるかと思いますが、
それでも、高収益に違いはありません)
来るか来ないか分からないモデルルームなどに、大人数人が常駐できるわけです。。。
(ちなみに、一人15000円/日で3人で毎月90万円の人件費がかかってます)
そうでもしないと売れないから、その経費を見込んだ収支計画をしているのでしょうが、
そこまでしなきゃ買わないエンドユーザー側の要望があることも忘れないでください。
・・・
「都心に住めて手の届くコスト。」は、
じつは、不動会社から見れば高収益体質のコスト設定に他ならないのです。
お互いにハッピーなのだから、良いのでは?
と思う方もおられるかもしれません。
しかし、それはマンションを設計・建設することを考慮しない場合の考えです。
実際は、そういうわけにはいかないのです。。
・・・その2につづく




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