テンポールトップページへ

設備設計について

| コメント(1)

寒いですね。。
今日は、真冬並みの寒さだそうです。
冬本番ってかんじです。
体だけは、気をつけていきましょう!

さて、

これまで、一級建築士制度の問題点についていろいろと私見を書いてきました。
ひと言に設計者と言っても、
意匠設計
構造設計
設備設計
と、各専門分野ごとに分業化されていて、設計者全体の8割〜9割を占めるのは、
意匠設計者であることはこれまでにくどく書いてきました。

意匠設計者は、設計全体を統括する立場であり、設計業務上での元請けとなる
ことが多いです。

構造設計者は、意匠設計者からの依頼を受けて、意匠設計者のデザインした建物の
構造安全性の検証をします。

建物の構造骨組みは、人に例えれば骨や筋肉に該当することも書きました。

なので、私見として構造設計は建築設計をするうえで理解していることが大前提である
ということも書きました。

ここで、

設備設計については、専門外とういこともありましたが言及していませんでしたので、
経験の範囲でちょっと書いておこうと思います。

・・・

建築設備(給排水、電気、ガス、空調、など)は、
人に例えれば機能を司る臓器や神経に例えられます。

臓器や神経がなければ、人は生きられません。

なので、建物にとって設備は必要不可欠なものです。

建物が不便なく機能するための、給排水圧力、必要電力、必要換気量などを
検討するわけです。

蛇口をひねって、水が出なかったら困りますよね?
テレビを見ているときに、キッチンで電子レンジを使ったらブレーカーが落ちて
真っ暗になったら困りますよね?
会議室で長時間打ち合わせをしていて、頭痛がしたら困りますよね?
真冬に暖房をつけても部屋がぜんぜん暖まらなかったら困りますよね?

上記したようなことが起きないように、設備設計者の検討が必要なのです。

さて、

設備設計者は、上記したように検討する項目が多岐にわたるので
給排水担当、電気担当、空調担当・・のように設備設計者の中でも分業化
されていることが一般的だと思います。
これら全てをひとりで検討して設計できる人は、スーパーマンに近い存在です。
(住宅程度の小規模なものであれば、大抵一人で設計すると思います)

さらに各分野の中でも、

給排水(給水、下水)では、図面作成担当、水道局申請担当(水道局の申請は
各地域ごとに仕様がばらばらなので)などに細分化されていることが多いですし、

電気(照明、弱電、ケーブルテレビ、LAN、BS/CSなどなど)は、とにかく
日進月歩で技術革新が行われる分野なので、商品ごとに知識を深めていく
必要があるので、電気の中でも得意とする分野に各担当がいることが多いですし、

空調も、規模によっては数人で担当することもあると思います。

つまり、

設備設計者と一言にいっても、これまた多岐にわたる訳なのです。。

ちなみに、構造設計者はよっぽど建物規模が大きくない限りは、
1人で担当することが多いと思います。
(構造計算を設計者がして、オペレータに指示を出して図面を書いてもらうことも
多いですが、オペレータは大抵、設計の内容まで把握してません)

ここで問題となるのは、、

「責任の分散」ということが挙げられます。

つまり、

設備設計者の場合、設備設計業務そのものが細分化されているので、
誰が設備設計の統括責任者なのか?
ということが、明確ではないと思っています。

前回書きました、「設備設計一級建築士」という資格ができたときに、
その設備設計一級建築士がどの分野のエキスパートなのか?
ということは大きな問題になると思います。

上述したように、設備設計分野を全て把握できている人は極めて少ないのと、
それに加えて、設備設計者で一級建築士を取得している方はさらに少ないのです。

これまでは、設備設計事務所の代表が(設備設計一級建築士とは限りません。
また、設備設計者であるとも限りません。)、事務所の責任者という意味で
設計責任を負っていたとは思いますが、法改正後はそういう訳にはいかないと
思われます。

そもそも、設備設計者には大学等で電気、機械系の学部を卒業した方も多いので、
建築自体が「畑違い」の方も結構いるのです。
(最近は、意匠系志望の若者に文系でも建築の勉強ができる学部を作っている
大学も多いので、個人的にはこの傾向は好ましくないのでは?と思ってます)

そういう意味では、
耐震偽装事件の飛び火的に、「設備設計一級建築士」なるものが作られますが、
設備設計業務の実態を考えると、かなり無理がある制度になると思います。

わたしの経験上では、
設備設計者で、設計図面を見て建物の状況を把握できる人はかなり少ないです。

建物の状況とは、
梁の大きさ、鉄筋の混み具合、スリーブを設けられる場所、だめな場所の判断、
耐震壁にいれるCD管の限度、天井の懐寸法、建築の納まり、などなど・・・
を意味します。

構造設計者は、現場に検査のためによく行きますが、
設備設計者が、配管状況の検査に現場にきているところを見たのはほとんどありません。

なので、現場では、
構造設計者がスラブ(床)の配筋検査をした後に、設備屋さんが配管をするために
鉄筋をばらして配管をして、鉄筋相互の結束をしないでめちゃくちゃになっていたりすることも
少なくないです。

あと、コンクリートを打設したあとに、配管が入らないという理由でコンクリートをハツリ飛ばし
たりしている現場も何度か経験しました。
(ハツリ飛ばすの意味は・・・ご想像にお任せします(苦笑)。。)
当然ながら、当該箇所の補強検討をして指示をしましたが・・・無料で。。

設備設計に関しては、設備設計者が設計図書を作成しますが、
現場では、ゼネコン(またはサブコン)が設備設計の監理をすることが多いのです。

実際そうしないと、
建築の納まりまで配慮した設備計画は設計段階ではなされないことが多いので、
天井からダクトが飛び出してしまったりして、建築の美観を損ねる原因になって
しまうのです。
(必要以上に美観を意識すると、構造安全性を脅かす原因にもなることもあります。)

ほかにも、いろいろと問題はあると思ってます。

でも巷では、法改正後に数少ない設備設計一級建築士の需要が高まるので、
設備設計一級建築士の年収は倍増するだろう、、などと言われています。。

個人的には、
設備設計者の存在は建物を設計するうえで必要不可欠だと思うのですが、
建築士の資格と混同して考える必要はないと思っています。

これについても、いろいろとご意見を聞いてみたいところです。
コメントお待ちしてます。

・・・

今回は、設備設計について書いてみました。

設備設計っていうのもいろいろあるんだなぁ・・・程度に思ってもらえれば幸いです。

本来は、

設計を統括する立場である設計者が(現状は意匠設計者)、
構造も設備も完璧ではないにしても、把握する必要があることだと思います。

そういう意識を持った意匠設計者が世の中にどのくらいいるのでしょう??
・・・
まぁ、極めて少ないのは経験上確かです。

長くなりました。
今回は以上です。

コメント(1)

建築設計請負で独立しました
じょれからもよろしきおねがいいたします

コメントする

mt-comments.cgi" name="comments_form" id="comments-form" onsubmit="return mtCommentOnSubmit(this)">