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知らなきゃ損する建築構造・・・敷地のつづき

| コメント(4)

前回のつづきです。

敷地選びにおいて「地盤」を知ることの重要性を前回書きました。

同じ建物を良い地盤と悪い地盤に建設した場合、
良い地盤に建設した建物は、
経験上建設費の10%以上節約できます。

3000万円の住宅で300万円の節約は
めちゃくちゃ大きいですよね。

なので、
敷地を選ぶときに「地盤」の良し悪しを考慮してもらいたいんです。

土地の少ない日本では、地盤よりも優先しなければならないことが
たくさんあるのは分かりますが、その地盤を無視したことによる
しわ寄せは必ず後でやってくるのです。

敷地選びの段階から、設計者に相談するクライアントは少ないと
思いますが、ご自身で調査して判断できそうになければ、
わたしは相談することをおすすめします。

ただ、、
地盤のことがよく分かってない設計者もかなりいますので、
注意してください。

では、
ここから地盤を調べるうえで技術的に必要な知識を書いていきます。

1.敷地の立地条件を調べる。

盆地か、起伏のある土地か、近くに川が流れているか、
過去に農地だった形跡があるかなどを調べます。

盆地の場合:

地盤が粘性土の場合は比較的良好です。
(首都圏の粘性土は関東ローム層という地層の場合が多いです)
ただし、地盤面の標高が低いと大雨のときに
基礎や1階床まで浸水したりする可能性はあります。

起伏のある土地の場合:

敷地内に高低差のある土地の場合は、擁壁を作る必要が
あるので、建設費は高くつきます。
また、傾斜地の場合は地盤調査も最低3箇所はしないと
データの信頼性に欠けます。
よっぽど地盤がよい場合を除いて、起伏のある土地では
ある程度の出費は覚悟する必要があるでしょう。

近くに川が流れている土地の場合:

一般的に川が近くにあると、地盤は良くありません。
地震時に液状化する可能性のある地盤も多いです。
住宅程度でも30mの杭を施工したケースもあります。
立地条件で選ぶのであれば、建設費のアップは
止むを得ません。

過去に農地だった土地の場合:

肥沃な土地は、色や匂いである程度分かります。
黒くて、肥料のように臭い土は農作物には適してますが
建物の敷地としては適していません。
表層が耕されていて締め固まっていないので、
地盤沈下の可能性があります。
ここ数年は、地盤改良で地盤の強度を高める手法が
発達してきましたが、黒い肥沃な土は化学反応が
おき難いのでセメントの硬化が促進されないんです。

2.周辺の建物をよーく見る!

比較的新築が多いのに木造住宅が多ければ、
その敷地周辺の地盤が悪いから軽い建物ばかりに
なっているということも考えられます。
鉄筋コンクリート造の建物があれば壁にひび割れが
ないかなども参考になります。

3.地盤データを見てみる。

役所などで閲覧できる地盤データはおそらく、
標準貫入試験という調査方法による
「土質柱状図(ボーリングデータ)」です。
地盤調査の方法は他にも数種類あるのですが、
煩雑になるのでここでは割愛します。

土質柱状図は以下のようなものです。
jibandata.JPG

折れ線のようなグラフが地盤の深度に対する
地盤の強度(N値といいます)を示しています。

ここで詳細な計算方法をレクチャーしても意味がないと
思いますので、まず視覚的にこの折れ線図を
眺めてください。

もし、
折れ線が深くなってもN値10以下で0になったり
している地盤だと液状化の可能性が高い軟弱地盤です。
折れ線が急降下してるので視覚的にも分かりやすいと
思います。

上図の柱状図の場合は、
住宅程度であれば十分な地盤です。

ただし、
この図の場合は、砂礫(されき)系の地盤なのですが
粘性土の場合は、N値が5程度でも十分地耐力がある
ことになります。
イメージ的に、粘性土はねばりがあって摩擦なども
期待できると思ってもらえば納得できますよね。

N値は粘土か砂かによって数値の意味合いが異なる点は
注意してください。

・・・

結構いろいろ書いてしまったかんじですが(汗)、、
内容を読んでもらえば分かるように難しいことは
ひとつもありません。

ちゃんとした地盤の耐力計算はちょっと面倒ですが、、
それは、あくまでも確認申請書類のためであったり
実はそれほど重要なものではありません。

万が一のための保険のようなものです。

なので、
目視調査やちょっとボーリングデータを見るだけでも
敷地選びの段階では十分です!

上述したような調査を敷地選びの時点でご自身で行って、
幸い地盤が良ければそれから建物の計画をすれば
かなりローコストな住宅が可能になります。

ただ、
地盤が悪そうだなと思ったら、やはり専門家に相談するか
他の敷地を検討するかなどをしたほうがよいと思います。

立地条件を優先して、地盤が悪いことを承知のうえで
建物を計画しても、必ず後々見えない部分に数百万円
を費やすことが悔しくなるんです。。

素敵な家具にお金を使ったほうが、誰でも嬉しいはずです。

素敵な家具を購入するためにも、
ぜひ!「地盤」の調査に興味をもってください。

・・・

・・・建築構造を知らないと、損しちゃいますよ・・・

「知らなきゃ損する建築構造・・・敷地」
おわり

コメント(4)

こんにちわ。
まさに「敷地」の重要性はこのとおりですね。(*^▽^*)

私の場合は実際にお客様といっしょに「土地」を選ぶところから協力させていただいています。

「土地」の大切さは≪地盤≫のみならず・・様々な自然環境の影響など・・住んでみないとなかなか気がつかない要素が沢山ありますからね。

なにせ「建物」を建てるということはそこに「長い年月」滞在するということですから・・もっとも大切なのは・・

「敷地」といってもいいかもしれません。

ただなかなか普通の方には「理解」していただきにくい要素の1つ。

「相談」や「調査」にお金がかかることを「もったいない」と思う方がすごく多いのも実状です。(^_^;)はは。

でも記事にあるように・・「土地」の影響で後々対応しなければいけないこと・・そこにかかる費用を考えれば・・「相談」「調査」の費用のほうが格安となることをぜひ知っていただければと思います。(*^▽^*)

コメントありがとうございます。

賛同して頂きましてうれしいです!

計画段階で、
「費用かけても調査をしてください」
といえば悪役扱いされますが、

施工途中で、
「あのとき調査しておけばこのようにならずに済んだんです」
といえば名医扱いに急変します(笑)

気持ちはよーく分かるんですけどね。。

エンドユーザーのための
地盤調査普及活動にぜひご協力ください(笑)

コラムは興味があってよく拝見させてもらっていますが初コメントです。
構造屋さんが地盤に興味を持ってくれるのは大変喜ばしいことです。意匠屋さんならまだ分かるけど、構造屋さんでも全く興味が無い方が多々いらっしゃるようなので…(笑)

専門家として一つ助言を!
最近は地盤データのデータベース化が進み、役所によってはWEB上で無料でデータを公開しています。
有名なところを以下に!
横浜市:http://wwwm.city.yokohama.jp/kankyo/gis/top.htm
千葉県:http://wwwp.pref.chiba.jp/pbgeogis/servlet/infobank.index?hp_number=0001486110

あまり公開されるとこちらは商売あがったりなんですがね(苦笑)

コメントありがとうございます。

わたしの経験的にも意匠系の設計者は地盤について勉強不足な方が多いですね。

現状では、施主ともっとも接する機会が多いのですから、もっと自覚を持ってもらいたいところです。

有用な情報までありがとうございます。
知りませんでした。。
これは貴重ですね。

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