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知らなきゃ損する建築構造・・・外観

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今回は、

「外観」

をテーマに建築構造との関係性を取り上げてみます。

「知らなきゃ損する建築構造」

■外観で分かる建築構造


日本には、いろいろな建物が混在しています。

伝統木造

鉄筋コンクリート造

ガラス張り建築

北欧住宅

超高層建築

などなど・・

しかも、各々が競ってユニークなデザインを求めているので

都市景観全体でみると、「ごちゃごちゃ」なカオス状態です。

正直いって、

「日本」という単位で都市景観を論じるのは、
現時点では手遅れ状態と言ってしまってよいと思われます。

日本人でありながら、
京都に残された伝統的な町並みはすでに異国と感じます。

海外の建築評論家が皮肉として

「日本の建築デザインはユニークなので、有能なエンジニアが育つ」

と言っていました。

この言葉の裏には、

「日本のエンジニアリングの高さが、好き放題デザインすることを
許す基盤を作っている」

という意味が込められていると思います。

ヨーロッパなどは特に都市景観の保存に厳しい国が多いので、
建築家の奇抜なデザインを住民が許さないことも多いそうです。

余談が長くなりましたが、

このような状況から、
日本では外観(見た目)の良い建物が多いです。

外観は建築の世界では「ファサード」と言ったりするので、
以降は外観をファサードと書きます。

ファサードはとても大事です。

建物の「顔」なので、ブランド、宣伝効果を期待できます。

ただ、

ファサードは良くて、
そのファサードを支える屋台骨がいい加減だったら、
「ハリボテ」でしかありません。

見た目に騙されてハリボテ建築を購入、賃貸してしまったら、、

・・・恐ろしいですよね。。

まさに、昨年の耐震偽装問題の根底もここにあります。

正直いって、

新築の場合に、ファサードのみでハリボテ建築を見抜くのは困難です。

血行不良で貧弱な体でも、これでもか!というくらい
厚化粧をしてしまうと、一見すると健康そうに見えてしまいます。

なので、

新築の場合は、
完成する前に何度も工事中の現場を見る必要があります。

あとは、図面を必ず見てください。

特に、屋台骨が一目瞭然の「構造図」を見てください。

平面形状が不整形でないか?
などをチェックしたほうがいいでしょう。

L字やコの字型の平面は好ましくはありません。

ただ、当然ながら
ちゃんと設計すればL字でもコの字でも問題はありません。

あと、立面図、断面図も必ず見てください。

建物は出来てしまうと、隣接する建物などに隠れてしまって
大きな道路に面する部分しか見えなくなりがちです。

立面図、断面図で見てもらいたいのは

柱が下階から上階までつながっているか?

柱が途中から斜めに傾斜していないか?

などです。

柱なんだから、下から上までつながっているのが当然だと
思われる人も多いと思いますが、実際はそうでもありません。

「この部屋は柱のない大空間にしたい・・・」
「見た目で凸凹が嫌なので柱をなくしたい・・・」
「法規上、斜線制限や日影制限のために斜めにせざるをえない・・・」
などなど

柱は嫌われ者だったりします。。

見た目で柱を嫌う方には、構造技術者から柱を無くしたり
細くしたり、薄くしたりすることのリスクを十分理解してもらった
うえで、検討することは可能です。
(ちなみに、このような案件の設計は当社ではお断りしてます)

ただ、「斜線制限」や「日影制限」は法規なのでちょっと厄介です。

斜線制限とは、基本的に日当たりなどの採光の確保を
目的に建物の高さを制限するために設けられている法規です。

「日影制限」は読んだままで、やはり日当たりの確保を目的に
建物の高さを制限するものです。

斜線制限には、

・道路斜線制限
・隣地斜線制限
・北側斜線制限

の3種類がありますが、建物の立地条件によって
適用されたり、されなかったりします。

日影制限も同様に適用される地域とされない地域があります。

街を歩いていて、建物をよく見ると

建物がこんな形になっているのをよく見かけると思います。



shasen1.jpg


shasen2.jpg


shasen3.jpg

まさに「斜線制限」によってこんな形になっているのです。

こんな形の建物の屋台骨が健全でしょうか?

健全な訳がありません!

こうなってしまった建物は、
大抵厳しい構造設計を余儀なくされます。

「でも法律なんだからしょうがいじゃん」

と言う方もおられるでしょう。

「日照」が大事なのか。
「安全性」が大事なのか。

・・・

両方大事なのですが、
これについても以前連載した、「一級建築士制度を考える」
でも再三取り上げた「下請けである構造設計者の立場」が
ネックとなってしまって結果的に安全性に疑問のある構造
になるケースも少なくないと思います。

「斜線制限」と「日影制限」の検討は
元請である意匠系設計者が行うのが一般的です。

意匠系設計者は、構造については、法律を満足しないような
要望までいろいろ言ってくるのですが、「斜線制限」や「日影制限」
になると、「法規厳守!」となってしまう人が大多数です。。。

自分で検討して数値として結果がでると、人はそうなるんです。

最近は、「天空率」という斜線制限緩和のための法規もできたのですが、
まだ計算ができないとか、近隣との調整の問題などがあるので
一般的になるまでには普及してません。

「斜線制限」、「日影制限」、「天空率」を含めても
計算自体は、難しいものではないので構造ができる設計者なら
意匠に任せないで、自分で検討して形態の提案をしたほうが
合理的な建物ができると思います。
(検討費用は、成功報酬でちゃんともらってください。。)

・・・

途中から、ちょっと脱線してました。。

いろいろと背景にある問題点がでてきてしまうんです。

とにかく、

新築の場合は、
建設する前から考えないとファサードだけでは分かりにくいです。

今回は、ここまでにします。

次回は、いまブームになりつつある、既存建物を再利用した
リニューアル、リフォーム、コンバージョンなどの建物について
ファサードで建築構造を見分ける注意点を書きたいと思います。

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