前回は、新築に関する建築構造の注意点を書きました。
新築の場合は、
外観のみで構造を判断するのは難しいので、
現場を頻繁に見たり、図面を見る必要性を書きました。
また、
斜線制限などの建築法規のために、危うい建築構造も
多数あることも書きました。
今回は、
既存建物の外観から判断できる建築構造について、
書いてみたいと思います。
・・・
リフォームがブームになったのは今から4,5年前からでしょうか。
「そのときタクミは・・・」
「まぁ、なんということでしょう・・・」
でお馴染みのテレビ番組は、リフォーム人気の火付け役のような
存在でした。
その後、
リフォーム人気に便乗して、「リフォーム詐欺」なるものまで
現れました。
リフォームとは、
まさに既存建物をできるだけ再利用して行う、建物を再生する
ための手段として行われます。
新築するよりも、コストは安くできることが多いですし、
地球環境の観点からも、優れた手法だと思います。
ただ、
住宅程度のリフォームは、法律上無資格でもできる仕事です。
(規模などによっては、無資格ではできません)
まず、そこに気をつける必要があります。
リフォーム番組で、壁を次から次へと破壊していくのを
見たことがあります。
「壁を取り払うことで、明るい空間ができました・・・」
などという優しい語り口のナレーションに騙されてちゃだめなんです。
その壁が、その建物の強度上不要で破壊しても問題ないのか
どうかは、建築家(意匠系の設計者)の大半には判断できません。
それは、一級建築士であっても同様です。
構造設計者でないと分からないと思います。
なので、
リフォームを外観で判断するときの注意点は、
・広い空間がある(壁が少ない)
・大きい開口がある(壁が少ない)
・吹き抜けがある
などは注意する必要があります。
壁を壊して広い空間を作ったり、
大きい開口を設けている可能性がありますし、
床を壊したことで、床の強度が不足する可能性があります。
もちろん、検討の結果そのようになっているものは
問題ありませんが、この種の構造検討は
法律上も難しい点もかなりあるので、疑ってかかる
くらいで丁度良いと思います。
・・・
次にコンバージョンについて書きます。
コンバージョンとは、
建物の使用用途を変えて再利用することを言います。
例えば、
オフィスビルを → 共同住宅に変更。
などがコンバージョンにあたります。
オフィスビルを共同住宅に変更するような場合は、
確認申請が必要なので、無資格ではできません。
コンバージョンするときに特に今流行っているのが、
「バリアフリー」建築です。
バリアフリーとは、段差をなくしてお年寄りや
車椅子の方が使いやすいように配慮した建築のことです。
「それはとても大切なことだ。」と大多数の方が考えると思います。
しかし、
バリアフリーにするために、屋台骨を部分的に壊さないと
できないことがあることを、エンドユーザーの大半は知りません。
バリアフリーは、今はちょっとしたブランドみたいに
なってしまっています。
「バリアフリーにすれば、セールスポイントが増える!」
くらいの安易な感覚で考える業者もいると思います。
要注意です。
特に、
バリアフリーは段差がないだけに、構造的な面以外にも
「水」に対する配慮が特に重要です。
雨水が浸入したり、
水ハケが悪かったり、
漏水したり
と大変な欠陥になり兼ねないのです。
基本的には、
バリアフリーにするのであれば、新築するときの設計段階で
入念に検討する必要があります。
既存建物をコンバージョンしてバリアフリーになっている
建物の場合は、
・無理な計画をしていないか?
(流行のアイランドキッチンは、いろいろと難しいことが多いです)
・屋台骨の壊した部分があるとしたら、どこか?
などを
ちゃんと確認する必要があるでしょう。
コンバージョンのように建物の用途を変更すると
法規的な取り扱いが大きく変わることがあります。
そのときの優先順位が何か?によっては、
屋台骨である構造体を傷つけることを止むを得ない!
という場合が少なくありません。
・二方向非難のために、壁を壊して出口を作らざるを得ない。
・警報機を新設するために設備スリーブを後からコア抜きせざるを得ない。
などなど・・・
大抵、
後で仕上げをするので隠れる構造体に対する優先順位は、
一番最後になります。
「くさいものには蓋をする」
「知らぬが仏」
とばかりに、、
構造についてはエンドユーザーが知らない事実がたくさんあるのです。
結論として、
建築構造を外観で気をつけるためには、
「見た目の良いものほど疑ってみる」
ということだと思っています。
何を信じたらいいのか不安になりそうですが、、
現状の建築業界は、商業主義に偏っていることを肝に銘じるべきです。
一生に一度の高い買い物を後悔しないためにも
ぜひ、見た目だけで判断しないようにしてもらいたいです。
・・・
・・・建築構造を知らないと、損しちゃいますよ・・・
「知らなきゃ損する建築構造・・・外観」
おわり




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