テンポールトップページへ

知らなきゃ損する建築構造・・・構造設計

| コメント(0)

今回は、また話題になってしまっている(汗)

「構造設計」

をテーマにエンドユーザーに注意してもらいたい点について
できる限り分かりやすく書いてみたいと思います。

「知らなきゃ損する建築構造」

■計算しなくても分かる構造設計


以前、当ブログでも取り上げましたが、
やはり今になって某グループの耐震偽装が問題になってきました。

でも、一昨年のA氏の偽装事件発覚時に比べれば
静かな印象を受けるのはわたしだけでしょうか??

騒いだところで、どうにもならないし・・・

といったあきらめムードなのか、

呆れて何も言えない状態なのか、、

世間の不安を煽ることの無意味をマスコミが学んだのか、、、

いずれにしても、
この種の事件に麻痺している世間一般も含めて、
建築業界は病んでいます。

病んでいる業界に人任せにせず、
エンドユーザー自身が勉強をして「自己責任」という感覚を
持たなければならないと思います。

とは言っても、、

「構造計算」を理解しろ!と言われても、
エンドユーザーにしてみれば、
チンプンカンプンで、全く興味のないものでしょう。

それは、しょうがないです。

設計を職業にしている一級建築士でさえ構造計算は
チンプンカンプンな方が多いのです。。

全部を知る必要は全くないんです。

構造設計は、
構造計算をする前に構造計画を行います。

特殊な建物を除いて、
構造計画の段階では、難しい計算行為は
行いません。

この構造計画こそが、
構造設計の中で一番大事なんです。

なので、構造計画を是非勉強してください!

イメージで理解できることも多いですし、
バランス感覚のある方なら得意になってしまって
面白いと感じる方も多いと思いますよ。

難しい数式を覚えて計算をするのは、
構造設計者に任せてください。

でも、構造計画の段階では
エンドユーザーにも参加してもらって設計者と
対等に議論できるのがベストだと思います。

自分の家の安全性を担保する骨組みについては、
やはり自分で理解している必要性があると思います。

医療の世界でも、
インフォームドコンセント
(治療に先立って病状や治療方法を”分かりやすく”
患者に伝えること)が常識になってきてますしね。

では、

構造計画のプロセスを始めます。

1.建物のボリュームを検討する
 どのような形、広さ、高さの建物にしたいのかを
 法規の適合を確認しながら決めます。

解説:
現状の設計業務は、ボリューム検討の時点では
意匠設計者のみが行うことが多いですが、この段階で
構造計画を同時にできるかできないかで建物の質の
大部分が決まってしまうと言っても過言ではないと思ってます。

2.構造形式を決める
 剛な(かたい)建物にするか、
 柔な(やわらかい)建物にするかを決めます。 

解説:
建物が柔?と思うかもしれませんが、
地震という自然の猛烈なエネルギーの前では、
建物は決して頑丈なものではありません。

人が針金を簡単に曲げられるように、
地震は簡単にみなさんが頑丈と思い込んでいる建物を
崩壊させます。

まず、地震のエネルギーの程度を理解してください。

一般的に、剛な建物のほうが頑丈そうなイメージがあって
良さそうかな?と思う方が多いかもしれませんが、
一概にそうとも言えません。

柔な建物は、地震時に”しなやか”に揺れてくれることで、
建物を損傷から守ってくれるんです。

剛な建物の代表は、
「2x4(ツーバイフォー)」や
「ブレース構造」や
「壁構造」などです。

柔な建物の代表は、
「ラーメン構造」です。
(※ラーメンはドイツ語で「フレーム」の意味で、
麺ではないですよ(笑))

一般的に、5階程度の低層建物の場合であれば
剛でも柔でも建物形状に合った構造形式を採用して
問題ないと思います。
ただ、中高層になってくると剛な建物は地震時に転倒
する可能性がでてくるので柔な構造形式が望ましいです。

3.バランスを考える

どこに柱を設けるか、
どのくらいのスパン(柱間距離)にするか、
壁の配置が偏っていないか、などを決めます。

解説:
柱の位置は、
必要所室の大きさとの関係で決まることが多いです。

ですが、所室を優先して柱位置がめちゃくちゃでは
当然ながら健全な骨組みとはいえません。

構造形式によって、適正スパンというのがあります。
目安ですが、
木造:3m程度
鉄筋コンクリート構造:7m程度
鉄骨造:10m程度
なので、このスパン以下で柱を設けたほうが良いです。
そのほうが、コストも安く、工期も早くメリットが多いです。

壁の配置の場合は、
建物形状の中心(重心)を基点に線対称または点対称
になるように配置するのが基本です。

「南側には採光のために大きな開口を作りたい・・」
というのは誰でも望む希望です。

なので、大抵の住宅は南側の壁が不足しています。

その分を日照の少ない北側に多く壁を設けたりしますが、
これは、理想的にはバランスが悪くよくありません。

地震のときに建物がねじれてしまうんです。

小規模で低層の場合に限って、ねじれを無視しても
良いという構造計算のルールがあるのですが
(構造計算ルート1といいます)、理想的ではない
ということは忘れないでください。

ねじれがイメージしずらい方は、
次の実験をしてみてください。

4つ足のキャスター付のサイドテーブルなどを、
一箇所だけどこかの足のキャスターをロックして
テーブルを動かしてみてください。

ロックされた足を基点にくるくる回ってしまいますよね。

建物も同様です。

建物の場合は基礎があってくるくる回れないので、
剛な壁が多い部分を基点にしてねじれます。

現在の構造設計では、この「ねじれ」というものに
対する個々の部材の安全性の基準が曖昧です。

なので、できるだけねじれない平面計画を
心がけたいところです。

構造計算というのは、あくまでも基準です。

バランスの悪い建物でも、基準を満たすことはできます。

新築の段階で、すでに背骨が曲がっているような
建物でも強引に設計すれば基準は満足できます。

ただ、
「本当にこれでいいんですか?」
と逆に聞きたくなってしまう建物もかなりあります。

自己責任で基準に甘えるのは、自由です。

ただ、

外見的な美しさだけに気を取られずに、
内面(骨組み)の美しさを意識することの重要さを
もっと考えてほしいと思います。

すごい長くなってしまったので、、
続きは次回にします。

コメントする

mt-comments.cgi" name="comments_form" id="comments-form" onsubmit="return mtCommentOnSubmit(this)">