耐震偽装問題をきっかけに改正された建築基準法等の本格運用が11月27日から始まりました。
一定規模の建物の設計の際に、「構造設計一級建築士」、「設備設計一級建築士」の関与が義務付けられるという制度です。
現在、構造設計一級建築士が8263名(こちらの資料より)、設備設計一級建築士が3702名(こちらの資料より)という状況です。
国交省は年間着工数から概算すると現状の資格者数は適正と判断しているようですが、実際のところはそんなことはないと思っています。
なぜかというと、有資格者が大都市圏に集中しているということと、大手企業に集中してしまっているからです(余談として、専門知識の無い有資格者も1割程度を占めていると言われています)。
この資格は、あくまでも構造や設備分野の設計行為に関する責任の所在を明確にするための資格であるという要素が強いのです。
つまり、設計図書に記名押印できる資格者が実際は何人いるのか?(責任を持てる設計者が何人いるのか?)ということを調査したうえで有効有資格者数を調べなければ意味がないと言えると思います。
「資格は取れたけれど所属企業で設計される物件に対して自分の記名押印はしたくない」という方も結構いるのが現状だと思われます。
また、資格者の高齢者割合が高いということも今後の足枷に成りかねない状況ではないかと思っています。
民主党政権のマニュフェストでは、申請業務を簡素化するという方針が掲げられていますので今後の一級建築士制度への影響もあるかもしれませんが、現状ではまだまだ制度が業界の不況脱出努力を邪魔している状況に変わりはないと実感しています。
ちなみに・・・、わたしも構造設計一級建築士を取得しようと考えていますが、資格要件がネックで受験できるのは再来年です(同世代で独立している建築士には同じ状況の方も多いと思われます・・・)。
また、今後の環境配慮や既存利用促進という国としての方針から判断すると耐震診断業務は極めて重要なものだと思いますが、耐震診断業務は受験資格として必要な実務要件として見なさないというのも理解し難いところです。
設計業務は収入も他業種と比べて低い状況なのに、独立までのハードルを弁護士や会計士並みに高めてしまったことで将来的に有能な若手人材を減少させる要因になるのではないかと危惧しています。
以下nikkeiBPNETより転載。
改正建築士法で創設された構造・設備設計一級建築士制度の経過措置が終了した。一定規模以上の建築物の設計に構造・設備設計一級建築士の関与を義務付ける制度で、11月27日からは、これら専門資格者の記名、押印などがなければ、確認申請が受理されなくなる。併せて、確認申請書の様式が変わる。新・建築士制度普及協会は、法適合確認に関するQ&A集などを掲載した運用解説や確認申請書の記載例を、ウェブサイトで公開している。
構造・設備設計一級建築士制度は5月27日の施行で、経過措置が11月26日まで取られていた。11月27日以降は、5月26日以前の設計で11月26日以前に確認申請した建物であっても、構造設計や設備設計に関する追加説明書を提出する場合は、専門資格者の関与が必須になる。11月26日以前に建築確認が下りた建物で、変更申請を行う場合も関与が義務化される。




コメントする